第1回 留学はおじいちゃん、おばあちゃんからのプレゼント「贈与税の非課税制度」

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「子供には若いうちに海外経験をさせておきたい。けれど、家計への負担が・・・」
留学が身近なものになりつつある一方、このような話題を耳にする機会も増えています。
そんなご家族に朗報!「贈与税の非課税制度」を利用した賢い留学方法をマモル君のケースをもとにDr.ビーバーが詳しくご紹介します。

 

社会に出るまでの教育資金を祖父母からサポート

―今日、おじいちゃんとおばあちゃんと3人で、信託銀行に行ってきたんだ。将来、僕が大学に行ったり留学をしたりする時のために、新しく口座を開いてくれたんだって。

Dr. ビーバー:教育資金の一括贈与じゃな。平成25年4月1日から、曽祖父や祖父、両親といった直系の親族から教育資金の一括贈与を受けた場合に1,500万円までは贈与税を非課税にするという制度ができたんじゃ。そのためには専用の口座を開設することが必要になる。口座に入れたお金が小中学校の給食費や修学旅行費、高校や大学の入学金や授業料などに使われた場合は、その金額に対しての贈与税はかからないゾ。

―ふーん。今までも、給食費や修学旅行費はおじいちゃんから出してもらっていたんだけど、それとはどう違うの

Dr. ビーバー:もちろん、祖父母や両親が未成年の子どもの生活の面倒をみたり学費を出したりすることに関しては、贈与税の対象にはならない。それに、この制度とは別に年間110万円までお金ならもらっても贈与税はかからないから、今までも、必要に応じて教育費を援助してもらっていた家庭もあるかもしれないな。 この制度がそれらと大きく違うのが、教育資金として1,500万円までというある程度まとまったお金を、一括して贈与できることじゃ。

―つまり、僕が大人になって社会に出るまで、おじいちゃんたちがずっとサポートしてくれるという約束をしてくれた、そう思えばいいということ?

Dr. ビーバー:そうじゃな。今持っている資産を確実に孫や子どもの教育費に充てたい、と考えている家庭にぴったりの制度だと言えるじゃろう。

 

出典:読売新聞2013年4月29日朝刊 (2014年8月4日読売新聞利用許諾)

詳しい新聞記事はこちら

 

幅広い進路に対応できるから、どんな進路でも安心

―うーん、でも僕が社会人なるまでの見通しといっても……。今のところは大学までは行きたいと思っているけど、いつか留学もしたいとは思っている。それだって高校でなのか大学でなのかはまだはっきり決めたわけじゃないし。もしかしたら、他にやりたいことがでてくるかもしれない。名称未設定-3.jpg

Dr. ビーバー:大丈夫じゃ。日本の小中学校、高校、大学、専門学校などにかかる費用のほか、留学、スポーツや習い事、塾や家庭教師などにかかる費用も一部対象になっておる。日本の将来を担う子どもたちのために、幅広い進路を想定しておるんじゃ。

―どんなことに興味を持っても大丈夫ってわけだね! そうだ、僕、実は芸能人にも憧れてるんだ。ギターとボーカルを習いに行こうかな。有名になってバラエティ番組に出た時のために、マジックなんか勉強しておいたりするといいかも。夢が広がるなあ!

Dr. ビーバー:こらこら。いくら将来のためはいえ、社会で一般的に教育とみなされないものについては、認められないぞ。マジックのスクールでは、無理じゃ

―なるほど……じゃあ、マジメに考えるとして、例えば、高校は公立が第一志望だけど、私立に行くかもしれない。で、高校の間に1年間アメリカかオーストラリアに留学して、大学は日本の大学を受験する。国立はちょっと難しそうだから、私立になる可能性が大きいかな。高校受験のために中3ぐらいから塾にも行くだろうな。塾通いは高校でも続けて……もしかしたら、現役で大学に受からなかったら、予備校も行かなきゃな。

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Dr. ビーバー:こんどはずいぶん現実的すぎて、なんだか夢が感じられないぞ。まずは、将来何をしたいのか、そのためにどんな準備が必要なのかということを考えてごらん。そうすれば、どこの学校をめざせばいいか、いつ留学するのが最適かなど、自ずと候補が絞られてくるもんじゃ。 そして、それは自分だけで決めるのではなく、家族とよく話し合うことが大切じゃ。もちろん、サポートを約束してくれたおじいちゃん、おばあちゃんを交えて、な。

―わかったよ! 今日の晩御飯の時にでもさっそく話をしてみることにするよ。

Dr.ビーバーの解説

限度ぎりぎりの活用はちょっと待って! まずは制度の理解を

現在の日本において、教育にかかる資金は決して少なくない。子どもひとりにかかる教育費は、幼稚園から大学までトータルで計算すると1,000万円ほどになるとも言われておる。それを親世代だけでまかなうのは、かなりの負担になる。そこで、祖父母からの援助を受けやすくする、こういう制度があるのは子どもがいる家庭にとっては非常にありがたい。昨年度の制度開始以来、多くの利用者がいるというのもうなずける話じゃ。

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ただし、安易に飛びつくのは少し早計かもしれん。この制度の仕組みをよく理解しておかないと、後々後悔することにもなりかねんからな。

まず、この制度は、利用できる期限が決まっていること。平成25年4月1日から、平成27年12月31日までに、信託銀行などの金融機関に子ども名義の専用口座を開く必要がある(※1)。贈与できるのは子ども1人あたり1,500万円まで。父方母方双方の祖父母それぞれが贈与する場合でも、子ども1人が受け取れる額は1,500万円が上限となるから間違えんようにな。

口座に入金された資金は、教育費等の支払いが生じるたびに出金できることになっておるが、この際、支払いに対する領収書や証明書、学校からの書面などを金融機関に提出しなければならん。

対象となるのは、幼稚園や保育所から小中高等学校等に直接支払う入学試験代、入学金、授業料、施設整備費、学用品、遠足や修学旅行費、給食費、寮費などや、国内外の大学・大学院に直接支払う入学金や授業料など。おおまかにいえば、学校に直接支払う費用が該当すると思っておけば間違いない。

その他、学校からの書面が出ている場合には教材費等や制服も対象となるし、塾や家庭教師、スポーツや習いごとのための費用を指導者に直接支払っている場合なども対象となるが、それらは上限が500万円となっとるんじゃ。

注意しなければいけないのは、この制度で非課税となるのは子どもが30歳になるまでの教育資金ということになっとること。30歳を迎えたら、その時点で口座にある金額分の贈与税を子どもが払わなければならん。

また、この口座から教育資金でないものを支払った場合にも、その金額に該当する贈与税が発生する。期間内なら追加入金は可能じゃが中途解約はできないため、贈与した後で祖父母世帯の生活が困ってしまうことのないような金額設定にしておくことが必要じゃな。

さらに、弟や妹が生まれた場合、それぞれに同じ額を贈与しなければ不公平感が募るといったことも考えられる。

新しい制度のため、わかりにくい部分もいろいろとあるじゃろう。利用を希望する場合は、必ず金融機関に相談することじゃ。

 

※1 信託銀行のほかにも、信託会社、銀行、証券会社、信用金庫などの金融機関でこの制度を利用することが可能です。外国所在の金融機関や国内金融機関の外国支店での口座開設は対象にはなりません。それぞれ必要な手続きや添付書類、口座の開設にかかる期間などが異なるため、詳しくは金融機関の窓口に問い合わせを。

 



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