第2回 楽しい英語教育を求めて!瀧沢広人氏に伺った!子どもの英語力を伸ばす3つのコツ

瀧沢広人(たきざわひろと)氏

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「子どもの英語力はどうやって伸ばせばいいのか?」

2020年、小学校での外国語授業は、小学5年生から「教科」となり、週2時間の英語授業が時間割に組み込まれることとなる。それに伴い、2018年からは2年後を踏まえ、小学校3年生から「外国語(英語)活動」が先行実施となり、今後の英語教育は、今の親の世代が受けてきたような「読む・書く」を重視したものから、「聞く・話す」を重視したものにどんどんシフトしていく。

このような制度改革からもわかるように、今後、ジュニア世代の将来に“英語”は欠かせないものとなり、あり方も変わっていこうとしている。

ただ、「そのような動きに、自分や子どもがついていけるか不安だ」という保護者も多いのではないだろうか。また、「自分の子どもの英語教育をどのように行なっていけばいいのか?」。そんな不安も聞こえてきそうだ。そこで、今回は、英語教員歴29年の中で、多くの英語教育関連の著書も出されている瀧沢広人(たきざわひろと)氏に伺った子どもの英語教育の3つのポイントについて紹介したい。

【子どもの英語教育のポイント1】 ゲーム化してあげる事で伸びる子どもの英語力

松山で行った英語教育研究会で

―英語教育の早期化についてどのように思われますか?

私の意見になりますが、「英語教育は早ければ早いほど効果がある」と思っています。 これは、私が実際に小学校5・6年生に“外国語(英語)”を教えていた時の体験なのですが、小学生は、中学生の子たちに比べて、恥ずかしがらず英語をしゃべります。

また、「前回の授業をよく覚えている」という違いがありました。 具体的に言うと、中学生の場合は、昨日習ったことなのに、今日やると、もう忘れているということが多々あります。しかし、小学生の授業は週に1回だけにも関わらず、しっかりと覚えている事が多かったのです。

つまり、小学生は「英語を学ぶ」というより、「英語が身につく」といった感じなのです。それも、自然にです。その点が、小学校英語の‟強み”だと私は思います。 これが更に、小学生3・4年生になると、5・6年生よりも、しゃべることを躊躇しない時期ですので、もっと自然と英語に親しんでいけるのだと思います。

―現場の英語教師がそのような早期化についていけるのかが懸念点なのですが、その点についてはいかがでしょうか?

確かに、それは一番の課題だと私も感じています。

学校などが開催する短い“英語教育研修”だけですと、なかなか“(先生自身の)英語力”や“教える力”が身につくのは難しいと思います。若い先生ですと比較的、英語が好きであったり、英語という授業に興味があったりして、制度の変化にも対応しやすいのですが、そのような場合でもやはり、「どのように教えたらいいのか?」は、現場として戸惑いを感じるところだと思います。

私自身が考える「教え方のコツ」ですが、例えば、英語ゲームを20 個知っているだけでも、だいぶ違うと思っています。一例をあげると、小学校の外国語活動の定番ゲームで「キーワードゲーム」というのがあります。これは、「先生がキーワードを伝えて、生徒がそれに対してアクションをする」というゲームです。例えば「monkey」がキーワードだとすると、先生がmonkeyと言ったら、消しゴムを取るという具合に。

このゲームは、子どもが自然と英語を楽しむ事ができますので、非常に効果的なのですが、このゲームを知らない先生がいることも事実で、私は非常にもったいないと感じています。先生に対する学校内の研修も、このような英語ゲームにも焦点を当て、先生も生徒と同じく「英語を楽しむ事」が大切なのだと思います。

―先生たちも教え方を学ぶ事で少しずつ変わって行くのですね。

そうですね。私も30年ほど前、新任で中学の英語教師をしていた時に、埼玉県の研修で「英語の教え方について」を学んだ事があったのですが、そこで習った事を学校に戻り、すぐにやってみたら、すごく効果を実感した事がありました。

このような実際の授業での教え方を教師の集まりで共有し合うことは、「子どもたちの英語力向上には欠かせない!」と感じましたので、今は定期的に「英語教育達人セミナー(達セミ)」に参加し、私自身、自ら学ぶと同時に、地方の先生や英語教育関係者の方に、「わかりやすい英語教育方法」についてのレクチャーなどを行なっています。

―「教師が育つと子どもも育つ」という事ですね。ちなみに、「自宅での英語学習」についても、やはりゲーム感覚で行なうのが大事なのでしょうか?

はい、「遊びながら英語を覚える」というのはとても大切な事だと思います。これも私自身の体験になってしまいますが、2人の娘を育てた際には、英語を遊びながら教えるようにしていました。

例えば、娘が5歳の時には、肩車をしてあげて「Go straight(まっすぐ進む)」と言うと「前に進む」、「Turn Right(右に曲がれ)」と言うと「右に曲がる」というように、肩車をしながら、「遊び」を英語でやっていました。 お風呂では、ヒントクイズを出し、例えば、「It’s an animal. It’s big. It lives in Africa. It has a long nose. (アフリカにいる大きな動物で、長い鼻を持つ)」のようにヒントを出し、娘から「Elephant!(ゾウ)」と答えがかえって来ると、「That’s right!(正解)」 などと、お風呂でもできる英語遊びをやっていました。

娘が成長してくると「It’s your turn.(次は君の番だよ)」と言って、娘にクイズを出させたこともありました。そのほかにも、身近には、同じ目標を持って一緒に勉強するという親もいらっしゃいました。「親子で英検3級合格を目指す!」というように。

【子どもの英語教育のポイント2】 週一回でもいいので、ネイティブと交流を。

達セミ中。この日のテーマはアクティブ・ラーニング

―ゲームだと、子どもとのコミュニケーションも増えて、一石二鳥になりそうですね。ただ、子どもの成長につれ、肩車のようなコミュニケーションはなかなか取りにくくなりそうなのですが。

そうですね。これは特殊なケースなのかもしれませんが、私のときは、ALT(学校で英語を教えている“外国語指導助手”)の先生に週1回来てもらっていました。普通に遊んでもらったり、ハロウィンのときに一緒にパーティーをしたりなどです。 英語教育においては、“ネイティブと接する事”はとても大事だと思います。私たちのような日本人と違い、子どもも外国人として意識して接しますので、自然と「英語を使おう!」としてくれますし、彼・彼女らの文化も知る事ができます。可能であれば、週1回でもいいので、ネイティブの人に来てもらう事がよいと思います。

―子どもが外国人に対して躊躇してしまう事も心配なのですが。

そうですね、それはあるかもしれません。ですので、「ネイティブの英語の先生を誰にするか?」も大切なポイントだと思っていて、私のときは、“面倒見のよい女性の方”に来てもらうようにしていました。私の場合、娘でしたので、相手が女性だと子どもたちも安心して接する事ができますので。

 【子どもの英語教育のポイント3】 子どもたちはがんばっている。大事なのは、最初に褒めること。

取材前に開催されていた_有志で集まる英語勉強会「英語教育達人セミナー」でのひとコマ

―どうしても子どもの英語力の伸びが遅くて焦ってしまう事もありえると思うのですが、そのようなケースで、瀧沢さんが教育で大切にされている事は何なのでしょうか?

私の場合は、とにかく「褒めて伸ばす事」を大切にしています。なぜかと言うと、子どもの能力を伸ばすときには「自己肯定感を高めること」が大事だと思っているからです。 私の感じるところになりますが、子どもというのは「(自分なりに)何かしらがんばっている」ものなのです。ですので、親の目から見て「これしかできていないのか・・・」という態度で接してしまうと、どんどんやる気を失ってしまいます。

大事なのは“自己肯定感”を大切にしてあげること。私がよく言っているのが「育てる(Sodateru)≒おだてる(Odateru)」です。「育てる(Sodateru)」からSを取ると「おだてる(Odateru)」になるのですが、本当に「おだてる」くらいの気持ちで接するとうまくいくのだと教師生活や自分自身の子育てを通して感じました。 ―最後に保護者の方へメッセージをお願いします。

留学や進学のために“英語力”を上げる事はもちろん大切だと思います。しかし、今の英語教育は、私たちが学んだ頃の英語教育とは大きく変わってきています。英語はあくまで“ツール”ですので、受験だけのための英語でなく、使える英語、英語でのコミュニケーションを取る機会を多く持たせてあげる事が大切だと思います。

また、コミュニケーションのためには、英作文、音読、英文法などの英語学習がどうしても必要になります。これまではそれらが目的となってしまっていたのですが、「何のために英語を学ぶのか?」そして「英語を使って楽しむ環境を作ってあげること」。その事を大切にしていただくのが、子どもたちの将来のために大切だと思います。

■参考文献 「アメリカンスクールは、どう英語を教えているか」瀧沢広人著 はまの出版

Dr.ビーバーの解説

いかがじゃったかな、今回の瀧沢先生のお話。ポイントは親が「子どもが英語を自然と使える環境作り」をサポートできるかどうかじゃ。

お話にもあった通り、子どもは英語を自然と使える環境にいることで「英語を使う楽しさ」を覚える。瀧沢先生のように、週に1回ネイティブの人に来てもらい一緒に遊ぶのも一つの手じゃな。

そして、それには“留学”も有効な手段なのじゃ。短期のジュニア留学の場合じゃと、英語力が爆発的に伸びてペラペラになるような事は少ないが、現地で同年代の子どもと英語でコミュニケーションを取る事で、英語の楽しさを覚える。その体験が子どもの学習意欲を育むのじゃ!

「子どもの英語力アップ」に主体性は欠かせない!ぜひ、この記事をご覧の保護者の皆さんも、自分の子どもが英語を楽しくなる環境作りにトライしてほしいのじゃ。



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